家康視点多し。
特に記述が無ければ、関ヶ原になります。他武将も登場する場合には割合が多ければ記述。
関ヶ原、主に家三で小説、たまに絵。史実ネタとその逸話からの独自解釈、捏造改変など混ぜてたり。
基本はゲーム設定に色付け。男前が目標。シリアスで戦国設定濃い目。転生、現代あり。
合戦描写が好きな管理人です。



十一

   黒点   
「父上様」

慣れない言葉が背中に刺さる。そう呼ばれるような者が周りにいないを認知して、漸く己の事だと認識する。面倒だが、答えねばなるまい。

「なんだ」

あまり芳しくない声色が出てしまった。そもそも自ら望んだ子では無い。

子供の方が余程敏感に感情を察する。家康がゆっくりと振り返ると子供は怯える様な目をしていた。

「父上様は、加減が思わしゅう無いのでござりますか?」

家康の声色に対しての当たり障りの無い言葉。言い付けてある教育係がそう躾たのだろう。

「お前がそんな心配をしなくても良い」

(めんどくさい。どうせ何も知らぬのだ。顔色を伺われても気持ち悪い)

「父上様。私に、お任せ下さりませ!!!」

「あの件は、既に決めた事だ。・・・秀康」

表向きがあるから多少は接しているが、我が子とは思いたく無い。顔はハッキリ言って利発とは思えない。武芸に関しては並の下、といったところか。戦が殆ど無くなった今、武芸などに秀でている必要も無いがその癖、やっけになっているのが滑稽だ。組織で治める仕組みを築いているのを理解していない様に溜息が漏れる。次期将軍に据えるべきでは無い。

「教えて下さりませ。秀忠の何が父上様のお心に止まったのでしょうか」

(別に。秀忠なぞ実のところ使えるとは思っておらん。家臣共と上手くやれそうな点だけが幾分マシなだけ。猪突な秀康よりはマシな程度だが。その無駄に食い下がるのを止めろ、腹が立つ。)

無感情な目で秀康を見る。

(完全な名前負けか)

「父上様・・・「黙れ」

今度こそ家康はハッキリとした嫌悪を顕にした。

「控えよ秀康。次期将軍は、秀忠だ。これは覆る事など無い。お前は秀忠を支えよ」

凍えた目で秀康を見る。接する気も失せた。
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