家康視点多し。
特に記述が無ければ、関ヶ原になります。他武将も登場する場合には割合が多ければ記述。
関ヶ原、主に家三で小説、たまに絵。史実ネタとその逸話からの独自解釈、捏造改変など混ぜてたり。
基本はゲーム設定に色付け。男前が目標。シリアスで戦国設定濃い目。転生、現代あり。
合戦描写が好きな管理人です。



   <揺らぎ>果ての無い道
銀がゆっくりと落ちて行く。
手を伸ばす。
しかし思う様に動かす事が出来ない。
鉛のように重く、麻痺した腕は上げる事がままならない。
懸命に伸ばして伸ばしても、届かない。
受け止めたいと切に願う己を嘲笑うかのような時間。
緩慢に、だが確実に落ちて行くもの。
不可視の壁に遮られる苛立ち。
目の前にあるというのに。
千切れる想いを振り切るように更に腕を伸ばす。
裂けても構わぬ、と半ば自棄になりながら。
諦め切れない。
届かぬ、と諦められたら楽なのに。
忘れてしまえば良いのに。
どんなに求めても結末は分かりきっている。
だから。
封をしてしまうのが良いのだ。
受け入れる事など出来やしない。
ならば見なかった事にしてしまえ、と脳が警告を出していても。
心が止まらない。
死よりも恐ろしい。
愚かと自覚を持ちながら止められない。
叫んで。
喚いて。
吼えて。
のた打ち回る。
無様に。
何度も。
何度でも。
声が枯れても。
涙が尽きても。
求める心は止まらない。
狂いそうになる。
自分を見失う恐怖に耐える。
ただ1つだけを欲した。




無力を抱き、意識が戻る。
酷い倦怠感。
静かな場に己の肺が上下するのを知覚する。
辛うじて自らの生を感じて自嘲した。
生きてる心地がしないのだ。
いつ死しても未練も思わない位に。
何もかもがどうでも良いと思う。
一体何の為に生きていたのか。
どうやって生きて行くのか。
自分の望むものとは何だったのか。
幾ら考えても思い当たらない。
思考が拒否をしている。
思い出してはならない。
核心に触れてしまったなら、絶望しか残らない。
本能が告げている。

(脳が寝惚けている)

肺が酸素を送り続けて漸く思考がマシになる。
ならざるを得ない事に気付いてまた心が澱む。
しかし幾度と無く過ごした習慣は身体が覚えており、強制的に負の感情を打ち消される事となった。

小姓が用意した小桶の水を顔に当てる。
冷たい水が顔を打って行く度思考が鮮明になっていく。

脳裏に過ぎる想い。
それも水に溶かすように顔を擦った。

癖の付いた髪を手で撫で付ける。
衣を剥いで新しい紬を手に取った。
無造作に広げて身体を包んだ。
視線を下げる。
水に映る姿。
いつもの顔。
苦笑する。

戻らぬ時間に別れを告げる。
今は、ただ前だけを見る。
そうしてひとときだけでも離別する。

景色が変わる。
時が流れる様を朧気に眺めた。
意識して無意識に努める。
不自然に映らぬように。
矛盾の塊だらけで。
無関心をいくら装っていても拭えない。
乾いた笑みが顔に張り付きそうになる。
強引に顔を引き攣らせて剥がす。
偽の表情を上塗りした。
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