家康視点多し。
特に記述が無ければ、関ヶ原になります。他武将も登場する場合には割合が多ければ記述。
関ヶ原、主に家三で小説、たまに絵。史実ネタとその逸話からの独自解釈、捏造改変など混ぜてたり。
基本はゲーム設定に色付け。男前が目標。シリアスで戦国設定濃い目。転生、現代あり。
合戦描写が好きな管理人です。



   揺蕩う   ●揺籃
織田が滅亡した後、晴れて完全に独立を果たした徳川家康は、同じく虎視眈々と天下を目指す豊臣と対峙する。

かつての武田信玄との合戦にて実地でその戦術を目に焼き付けた家康は数に引けを取らない豊臣を徐々に押していく。数の差はほぼ無い。統制の取れた豊臣の軍は強固であったが家康の軍は息の合った連携に加え、人望篤い家康は意のままに陣を展開させ緩やかに豊臣を圧倒していく。大規模な合戦で確かな手応えを感じる。

ところが思わぬ報せが家康の耳に入る。

「家康様っ!一大事でございます!!!」

「何事だ?」

眼下の戦場を見詰めながら伝令兵を横目で見る。

戦模様は悪く無い。

「そっ、それが・・・突如豊臣の軍が我等の地へ侵攻しております」

「な!」

家康は耳を疑った。遥か向こうに見える丘には秀吉と半兵衛の姿。豊臣の兵は精強と名高い武将ばかりの軍だ。

(城にも幾つかの戦力は置いているのに侵略されただって?)

予想外の戦略に家康は直ちに兵を退けさせる。

「撤退だ!全軍浜松へ帰城せよ!!!」

優勢の小牧で家康の号令が下ると僅かにどよめきが起こる。

「深追いはしなくていい。徳川は浜松へ引き返す!」

浜松で豊臣の兵が取り囲んでいる。小牧では勝ったとはいえ徳川方も優秀な武将は幾人か討ち取られて数も減っている。その上戦をして来たばかりの徳川の兵と、元々一戦を見越した勢いのある豊臣軍と連戦を行うのは分が悪い。

「儂とした事が・・・目の前の戦にばかり気を取られ過ぎたっ」

そう家康は悔やむが、相手はあの竹中半兵衛。絶妙な間での攻防を戦略と見抜く事が遅れたのも致し方無いと言えばそれ迄。

腹を括った家康だったが、豊臣はそれ以上前には出て来ず、まるで牽制をしているかのようだった。

(試されている)

「家康様。如何致しましょう。我等は、家康様のお心と共に参る所存。なんなりと御下知を」

家臣達はすっかり死地への覚悟を固めている。

「・・・いや。それには及ばない。誰か筆を持って来てくれ」

「家康様?」

「儂の所為でこんな結果になって真に申し訳無い。儂はお前達にこんな所で果てて欲しくは無い。秀吉殿へ徳川降伏の書を持たせる」

「家康様!!!」

ここに来て勝ちをそのまま放棄する宣言をした家康に驚きを隠せない腹心達。

「なに、命あってこその天下だ。そうだろう?本当にすまないな、こんな儂で」

家康は即座に書状をしたためて豊臣へと馬を走らせる。程無くして返答が返って来た。

『徳川が豊臣軍門に下る由、承知』


包囲を解かれた家康は、多数の部下を先ず城へ送ってから、数人の腹心のみを引き連れ秀吉の元へと向かった。

豊臣の陣幕に入り秀吉の姿を一目見て、頭を垂れる。その様に心中穏やかではない腹心達であったが主の意思を汲み取り家康同様私情を表に出さず地を見続ける。

「直ぐ様降伏とは早計だとは思わなかったのか」

再度戦を交えるつもりであった豊臣は戦術に優れた徳川軍があっさりと降伏の申し入れをして来た事に探りを入れる。

「即座に降伏が最善だと判断した」

「そう?家康君は賢いんだね。気に入ったよ。お陰で余分な戦はしなくて済んだし、強力な徳川の戦力も僕等の物として使える事になったんだ。豊臣の一員として君達を歓迎するよ」
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