家康視点多し。
特に記述が無ければ、関ヶ原になります。他武将も登場する場合には割合が多ければ記述。
関ヶ原、主に家三で小説、たまに絵。史実ネタとその逸話からの独自解釈、捏造改変など混ぜてたり。
基本はゲーム設定に色付け。男前が目標。シリアスで戦国設定濃い目。転生、現代あり。
合戦描写が好きな管理人です。
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特に記述が無ければ、関ヶ原になります。他武将も登場する場合には割合が多ければ記述。
関ヶ原、主に家三で小説、たまに絵。史実ネタとその逸話からの独自解釈、捏造改変など混ぜてたり。
基本はゲーム設定に色付け。男前が目標。シリアスで戦国設定濃い目。転生、現代あり。
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四
討難 うたかた
三成は家康と、政宗の顔を見て、元親の顔を見た。真っ直ぐに元親を見た。
「私は家康を許さない。そこの眼帯の男も許せない。・・・だが。私が最も許せないのは、同盟を組んだ貴様を、この私が、この私が・・・貴様に裏切るなと言わせたこの身が、みすみす貴様の仲間を殺す手引きをした同胞だったのだ!!!私は許せない、私は何も知ろうとせず、何も確認せず、何も疑わず、何もかも拒否をし、私は、刑部に何もかもを委ねた。その結果がこれだ!可笑しいだろう?愚かだろう?!裏切りを許さないこの私が裏切りを容認していたとはな!!!この首を刎ねろ。私は私を許せない。生きていられない。生きていたくもない。殺せ。死なせろ!秀吉様の元へ送ってみせろ!!!」
三成は哂っていた。泣きながら哂っていた。
「私の首を刎ねる権利は、貴様にある」
三成は元親に刀を放り投げた。元親は受け取るべきか刹那の間逡巡したが三成の意思である刀を受け取る事にした。
三成は静かに自分の首が落ちるのを待った。元親が刀を受け取った事を望みの死が与えられると思って。
「どうした。殺せ」
「必要ねえ」
「殺せ。私を跡形も無く消し去れ」
「殺さないって言ってんだろ?!石田!!!」
元親に怒鳴られて三成は怯む。
「そんな言い方ねえだろうよ石田。家康はなあ、俺の事を差し置いてアンタの事を許せって笑って言いやがったんだぜ?」
「三成・・・どうしてお前はそんなに死にたがるんだ?!なあだったら三成、儂を殺してくれ」
「おい家康、お前迄何言い出してんだ」
「三成、お前が生きてくれるなら、儂はお前に討たれてもいい。だが儂は三成には生きて欲しい」
「長曾我部・・・私を殺して・・・くれ」
蚊の鳴く様に呟く三成。
「あーあ、面倒臭!」
元親を見上げる三成。元親が三成から受け取った刀を振り上げる。
三成はじっと瞬きもしない。
「何の冗談だ」
三成の頭の上で止まった動きに怪訝な顔をする三成。
「あんた、何かの儀式みたいなもんでもやっとかないと気が済まないクチか?これでいいだろ?おらよ、今ので石田三成は死んだぜ」
「私は死んでなどいない!」
「死んださ。今迄の石田が。過去の事に目を背けるな、とは言えねえ。だが前を見ろよ。少なくとも俺や家康はあんたの死を望んじゃいねえ。独眼竜もその気は無くなったみたいだしよ」
「私が生きていると色々と困るだろう?家康?」
「困らない」
「迷惑をかける」
「承知だ」
「困れ!貴様は天下人になったんだぞ?!世間の目が構う!貴様の望んだ泰平の世を実現してみせろ。その世では私の居場所などない」
「儂が何とかする。何とかしてみせる。三成は気にするな。何、この際死兵の中から適当に首を拾っておけばいい。三成、お前は気にする事の程でもない。お前は儂の屋敷に来るといい。儂の敷地なら誰にも邪魔させんし邪魔させない。どうとでもなる」
「私は貴様の荷物か。重荷などになりたくはない」
「三成を迎えるのに手間だとも思わない」
「だが、私は・・・」
唐突に三成の言葉が途切れる。
「おい!三成?!」
慌てて家康が三成に駆け寄り三成の首筋に手を当てて脈を見る。弱々しいが生きている。
疲労が臨界に達したようだ。三成は深い眠りに落ちていた。
「私は家康を許さない。そこの眼帯の男も許せない。・・・だが。私が最も許せないのは、同盟を組んだ貴様を、この私が、この私が・・・貴様に裏切るなと言わせたこの身が、みすみす貴様の仲間を殺す手引きをした同胞だったのだ!!!私は許せない、私は何も知ろうとせず、何も確認せず、何も疑わず、何もかも拒否をし、私は、刑部に何もかもを委ねた。その結果がこれだ!可笑しいだろう?愚かだろう?!裏切りを許さないこの私が裏切りを容認していたとはな!!!この首を刎ねろ。私は私を許せない。生きていられない。生きていたくもない。殺せ。死なせろ!秀吉様の元へ送ってみせろ!!!」
三成は哂っていた。泣きながら哂っていた。
「私の首を刎ねる権利は、貴様にある」
三成は元親に刀を放り投げた。元親は受け取るべきか刹那の間逡巡したが三成の意思である刀を受け取る事にした。
三成は静かに自分の首が落ちるのを待った。元親が刀を受け取った事を望みの死が与えられると思って。
「どうした。殺せ」
「必要ねえ」
「殺せ。私を跡形も無く消し去れ」
「殺さないって言ってんだろ?!石田!!!」
元親に怒鳴られて三成は怯む。
「そんな言い方ねえだろうよ石田。家康はなあ、俺の事を差し置いてアンタの事を許せって笑って言いやがったんだぜ?」
「三成・・・どうしてお前はそんなに死にたがるんだ?!なあだったら三成、儂を殺してくれ」
「おい家康、お前迄何言い出してんだ」
「三成、お前が生きてくれるなら、儂はお前に討たれてもいい。だが儂は三成には生きて欲しい」
「長曾我部・・・私を殺して・・・くれ」
蚊の鳴く様に呟く三成。
「あーあ、面倒臭!」
元親を見上げる三成。元親が三成から受け取った刀を振り上げる。
三成はじっと瞬きもしない。
「何の冗談だ」
三成の頭の上で止まった動きに怪訝な顔をする三成。
「あんた、何かの儀式みたいなもんでもやっとかないと気が済まないクチか?これでいいだろ?おらよ、今ので石田三成は死んだぜ」
「私は死んでなどいない!」
「死んださ。今迄の石田が。過去の事に目を背けるな、とは言えねえ。だが前を見ろよ。少なくとも俺や家康はあんたの死を望んじゃいねえ。独眼竜もその気は無くなったみたいだしよ」
「私が生きていると色々と困るだろう?家康?」
「困らない」
「迷惑をかける」
「承知だ」
「困れ!貴様は天下人になったんだぞ?!世間の目が構う!貴様の望んだ泰平の世を実現してみせろ。その世では私の居場所などない」
「儂が何とかする。何とかしてみせる。三成は気にするな。何、この際死兵の中から適当に首を拾っておけばいい。三成、お前は気にする事の程でもない。お前は儂の屋敷に来るといい。儂の敷地なら誰にも邪魔させんし邪魔させない。どうとでもなる」
「私は貴様の荷物か。重荷などになりたくはない」
「三成を迎えるのに手間だとも思わない」
「だが、私は・・・」
唐突に三成の言葉が途切れる。
「おい!三成?!」
慌てて家康が三成に駆け寄り三成の首筋に手を当てて脈を見る。弱々しいが生きている。
疲労が臨界に達したようだ。三成は深い眠りに落ちていた。
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