家康視点多し。
特に記述が無ければ、関ヶ原になります。他武将も登場する場合には割合が多ければ記述。
関ヶ原、主に家三で小説、たまに絵。史実ネタとその逸話からの独自解釈、捏造改変など混ぜてたり。
基本はゲーム設定に色付け。男前が目標。シリアスで戦国設定濃い目。転生、現代あり。
合戦描写が好きな管理人です。
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特に記述が無ければ、関ヶ原になります。他武将も登場する場合には割合が多ければ記述。
関ヶ原、主に家三で小説、たまに絵。史実ネタとその逸話からの独自解釈、捏造改変など混ぜてたり。
基本はゲーム設定に色付け。男前が目標。シリアスで戦国設定濃い目。転生、現代あり。
合戦描写が好きな管理人です。
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四
水銀の盃●草創
月が昇りきっていた。
三成の姿が目に留まる。
天上の月よりも、尚白く美しい彼が。
降り注ぐ柔らかい光の中に彼がいた。
暗く澄んだ夜の色に浮かびながら。
凛と、纏う空気。
「三成」
声を掛けるのが惜しいような錯覚がした。
家康はそれに苦笑いを浮かべた。
殊勝な感傷を振り払って三成に声を投げた。
三成は家康の声に反応してこちらを見た。
三成の視線。
息を呑む。
宝石、などと揶揄するのも畏れ多い。
「家康」
名を呼ばれ、身に何かが走る。
三成に名を呼ばれる事が心地良い。
ただ。三成は無意味な時間を嫌うので、続けて、言葉を紡いだ。
三成との時間を得る為に。
「三成。 前から気になってはいたんだが・・・」
家康はどうするか一瞬、迷った。
三成のその稀有な容姿に、ある時から噂が立った。
およそ人の身に授かる事が無い程の美しさから、不老長寿の眷属だと。
一昔前に信じられていた秘薬の原料、水銀。
人では不可能な美を持ち得る三成がそれを可能としているのはその力なのでは、と。
「?どうした?」
三成が怪訝な顔をした。
「家康?」
しまった。うっかり言いかけてしまった。
この侭、何でも無い、などと返事したらば、三成は暫く口を聞いてくれなくなる。
三成は気が長い方では無い。
無難な話題に繋げようかとも思ったが、それにしては時間が空き過ぎた。
三成は人の心を読んでいるのでは?と思わせる程、些細な感情の揺らぎを捉える。
三成が口を開きかけた。
観念して、三成が動く前に、家康はその言葉を言っていた。
「三成は・・・汞(みずかね)なんて・・・飲んでいたりでもするのか?」
言って、馬鹿だと自分でも思った。だが、聞かずにはいられなかったというのが本音だ。
三成が家康が発した言葉に落胆をしたのが分かった。
「・・・貴様は、馬鹿か?」
三成に薄く笑われた。
恥ずかしい。
美しさから不老の秘薬とされ飲まれていたのは遥か昔の事。
れっきとした金属である。
今ではもう水銀は猛毒と知られている。
家康は薬事に精通している、と広く知られている。だからそんな家康が今更な事を口にした事実を三成は笑ったのだ。
「・・・全くだ」
自分でも、笑った。笑わずにはいられない。
他の者と同じく、いや、それ以上に、三成が、人では無いのではなかろうか、と信じている事にも笑った。
人特有の、怠惰とは無縁。
正し過ぎて、反するものへは容赦無い鉄槌を下す。
神の使いそのものではないか。
苛烈な、覇王の使い。
三成であれば、天使、と言われても、あまりにも自然過ぎて納得してしまうだろう。
むしろ、天使だと言われれば合点がいってしまう程に。
人であるのに、人とは大きく異なる存在に人々は戸惑いと憤りを持つものだ。
羨望や妬みなど。三成にはどれも理解不能な感情ばかり。
何度か、家康は三成に諭した事がある。人とは、そういうものなのだと。そうしたら、決まって三成は、何故だ、と返してきた。理屈そのものが分からないと。
喜怒哀楽は確かにある。その感情が表に出る事は少ないが。
何かに触れて、ようやく露見する程度のものであるが。
己というものが、薄いように感じられる。
三成にとって、自己とは、成す為に必要な最低限の自我を保つ為に存在しているのだろう。
三成の姿が目に留まる。
天上の月よりも、尚白く美しい彼が。
降り注ぐ柔らかい光の中に彼がいた。
暗く澄んだ夜の色に浮かびながら。
凛と、纏う空気。
「三成」
声を掛けるのが惜しいような錯覚がした。
家康はそれに苦笑いを浮かべた。
殊勝な感傷を振り払って三成に声を投げた。
三成は家康の声に反応してこちらを見た。
三成の視線。
息を呑む。
宝石、などと揶揄するのも畏れ多い。
「家康」
名を呼ばれ、身に何かが走る。
三成に名を呼ばれる事が心地良い。
ただ。三成は無意味な時間を嫌うので、続けて、言葉を紡いだ。
三成との時間を得る為に。
「三成。 前から気になってはいたんだが・・・」
家康はどうするか一瞬、迷った。
三成のその稀有な容姿に、ある時から噂が立った。
およそ人の身に授かる事が無い程の美しさから、不老長寿の眷属だと。
一昔前に信じられていた秘薬の原料、水銀。
人では不可能な美を持ち得る三成がそれを可能としているのはその力なのでは、と。
「?どうした?」
三成が怪訝な顔をした。
「家康?」
しまった。うっかり言いかけてしまった。
この侭、何でも無い、などと返事したらば、三成は暫く口を聞いてくれなくなる。
三成は気が長い方では無い。
無難な話題に繋げようかとも思ったが、それにしては時間が空き過ぎた。
三成は人の心を読んでいるのでは?と思わせる程、些細な感情の揺らぎを捉える。
三成が口を開きかけた。
観念して、三成が動く前に、家康はその言葉を言っていた。
「三成は・・・汞(みずかね)なんて・・・飲んでいたりでもするのか?」
言って、馬鹿だと自分でも思った。だが、聞かずにはいられなかったというのが本音だ。
三成が家康が発した言葉に落胆をしたのが分かった。
「・・・貴様は、馬鹿か?」
三成に薄く笑われた。
恥ずかしい。
美しさから不老の秘薬とされ飲まれていたのは遥か昔の事。
れっきとした金属である。
今ではもう水銀は猛毒と知られている。
家康は薬事に精通している、と広く知られている。だからそんな家康が今更な事を口にした事実を三成は笑ったのだ。
「・・・全くだ」
自分でも、笑った。笑わずにはいられない。
他の者と同じく、いや、それ以上に、三成が、人では無いのではなかろうか、と信じている事にも笑った。
人特有の、怠惰とは無縁。
正し過ぎて、反するものへは容赦無い鉄槌を下す。
神の使いそのものではないか。
苛烈な、覇王の使い。
三成であれば、天使、と言われても、あまりにも自然過ぎて納得してしまうだろう。
むしろ、天使だと言われれば合点がいってしまう程に。
人であるのに、人とは大きく異なる存在に人々は戸惑いと憤りを持つものだ。
羨望や妬みなど。三成にはどれも理解不能な感情ばかり。
何度か、家康は三成に諭した事がある。人とは、そういうものなのだと。そうしたら、決まって三成は、何故だ、と返してきた。理屈そのものが分からないと。
喜怒哀楽は確かにある。その感情が表に出る事は少ないが。
何かに触れて、ようやく露見する程度のものであるが。
己というものが、薄いように感じられる。
三成にとって、自己とは、成す為に必要な最低限の自我を保つ為に存在しているのだろう。
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