家康視点多し。
特に記述が無ければ、関ヶ原になります。他武将も登場する場合には割合が多ければ記述。
関ヶ原、主に家三で小説、たまに絵。史実ネタとその逸話からの独自解釈、捏造改変など混ぜてたり。
基本はゲーム設定に色付け。男前が目標。シリアスで戦国設定濃い目。転生、現代あり。
合戦描写が好きな管理人です。
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特に記述が無ければ、関ヶ原になります。他武将も登場する場合には割合が多ければ記述。
関ヶ原、主に家三で小説、たまに絵。史実ネタとその逸話からの独自解釈、捏造改変など混ぜてたり。
基本はゲーム設定に色付け。男前が目標。シリアスで戦国設定濃い目。転生、現代あり。
合戦描写が好きな管理人です。
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二
水銀の盃●草創
点てた茶を見詰める、白い男。
濁りの無い茶に映る、美しいかんばせ。
調度品に囲まれた茶室に一人。
およそ、町民には一生手に入らぬような品の数々。
どんな者も、目にした途端に感嘆の声を漏らさずにはいられない。
そんな贅の茶室にいるその白い男の容姿は更に美しかった。
細くも線の整った身体に纏う絹の羽織。
薄っすらと、繊細な刺繍が施された仕立のそれは、さながら鷺の羽根の様で。
髪は銀、白磁の肌に、翠玉。
羽織の下は藤色の衣。
人であって人で無いような、美しさ。
彼が茶器を手に取る。
静かに添えられた指が鈍色の焼き物を包んだ。
丸く設えられた障子から、明るい日差しが差し込んで、彼の姿は天上の人そのものであるかのような錯覚に陥らせる。
空気が、時がゆったりと流れている。
すっ、と一口、彼が茶を啜る。
深い緑の茶の香りがふわりと鼻腔をくすぐる。
白い彼の瞳が細められた。
また一口、茶を舌で転がす。
茶の味をじっくりと堪能した。
懐紙を懐から取り出す。
碗の淵に当て、引く。
その侭碗を数度ゆっくり回す。
碗を畳に置いた。
「三成の茶は、絶品だな」
柔らかい笑顔で、隣に並ぶ男は言った。
三成は、面倒そうに、だが、律儀にその男に視線をやった。
「別段、特別な事はしていないぞ。基礎の事しか」
教えられた通りに、茶を淹れているだけだ、と三成は言う。
「それでも、普通は、こうはいかないな。だって、そうだろう?ワシなんかは、同じ様にやっているつもりでも、ここ迄茶の味は引き出せんよ。だからやはり三成は才があるんだな。いや、鍛錬も、惜しんではいないんだろう」
饒舌な男。ただし、世辞らしい世辞でもなく、率直な感想を述べるこの男。
しかし三成には、暑苦しい、と一瞥した。
「・・・貴様は、無駄が多いのだ、家康。あまり時間をかけ過ぎると、茶が、渋くなるだけだ。茶は、絞る物では無いぞ」
「・・・そうか。やはり、三成は、物知りで、良く物事を見ているな。ワシの癖も、お見通しか」
素っ気無い様でいて、的確な助言をする三成。
「単なる経験だ。貴様も、真面目に取り組めば、いずれ出来るようになるのではないか?気をあちこちやり過ぎだ。落ち着け」
そうなのだ。家康はどうも、茶室で落ち着かない様子である。
何かを気にして手元がぎこちない。
「うーん、どうも、あのような場は、ワシには合わないようでな。狭くて、緊張する」
肩が凝る、と情けない言葉を吐く男。
しかし、三成には、それだけではないような気もするのだが。はたしてそれが何なのかは分からない。
「まあ、とにかくだ。私の邪魔さえしなければ、考えないでもない」
三成は、家康にそう言った。
「ああ。また、よろしく頼むよ、三成」
家康は、三成に茶の指南を受けていた。
最初は三成が出した茶を飲んでいるのみだった家康だったが、いつしか、それを自分も淹れてみたい、と言い出したのだ。
上手く出来る様になって、自分が出したい、と。
三成は面倒だと思ったが、それはそれで家康が豊臣に尽力する意思ありと見て、手が空いた時についでとして行う事にしたのだ。
濁りの無い茶に映る、美しいかんばせ。
調度品に囲まれた茶室に一人。
およそ、町民には一生手に入らぬような品の数々。
どんな者も、目にした途端に感嘆の声を漏らさずにはいられない。
そんな贅の茶室にいるその白い男の容姿は更に美しかった。
細くも線の整った身体に纏う絹の羽織。
薄っすらと、繊細な刺繍が施された仕立のそれは、さながら鷺の羽根の様で。
髪は銀、白磁の肌に、翠玉。
羽織の下は藤色の衣。
人であって人で無いような、美しさ。
彼が茶器を手に取る。
静かに添えられた指が鈍色の焼き物を包んだ。
丸く設えられた障子から、明るい日差しが差し込んで、彼の姿は天上の人そのものであるかのような錯覚に陥らせる。
空気が、時がゆったりと流れている。
すっ、と一口、彼が茶を啜る。
深い緑の茶の香りがふわりと鼻腔をくすぐる。
白い彼の瞳が細められた。
また一口、茶を舌で転がす。
茶の味をじっくりと堪能した。
懐紙を懐から取り出す。
碗の淵に当て、引く。
その侭碗を数度ゆっくり回す。
碗を畳に置いた。
「三成の茶は、絶品だな」
柔らかい笑顔で、隣に並ぶ男は言った。
三成は、面倒そうに、だが、律儀にその男に視線をやった。
「別段、特別な事はしていないぞ。基礎の事しか」
教えられた通りに、茶を淹れているだけだ、と三成は言う。
「それでも、普通は、こうはいかないな。だって、そうだろう?ワシなんかは、同じ様にやっているつもりでも、ここ迄茶の味は引き出せんよ。だからやはり三成は才があるんだな。いや、鍛錬も、惜しんではいないんだろう」
饒舌な男。ただし、世辞らしい世辞でもなく、率直な感想を述べるこの男。
しかし三成には、暑苦しい、と一瞥した。
「・・・貴様は、無駄が多いのだ、家康。あまり時間をかけ過ぎると、茶が、渋くなるだけだ。茶は、絞る物では無いぞ」
「・・・そうか。やはり、三成は、物知りで、良く物事を見ているな。ワシの癖も、お見通しか」
素っ気無い様でいて、的確な助言をする三成。
「単なる経験だ。貴様も、真面目に取り組めば、いずれ出来るようになるのではないか?気をあちこちやり過ぎだ。落ち着け」
そうなのだ。家康はどうも、茶室で落ち着かない様子である。
何かを気にして手元がぎこちない。
「うーん、どうも、あのような場は、ワシには合わないようでな。狭くて、緊張する」
肩が凝る、と情けない言葉を吐く男。
しかし、三成には、それだけではないような気もするのだが。はたしてそれが何なのかは分からない。
「まあ、とにかくだ。私の邪魔さえしなければ、考えないでもない」
三成は、家康にそう言った。
「ああ。また、よろしく頼むよ、三成」
家康は、三成に茶の指南を受けていた。
最初は三成が出した茶を飲んでいるのみだった家康だったが、いつしか、それを自分も淹れてみたい、と言い出したのだ。
上手く出来る様になって、自分が出したい、と。
三成は面倒だと思ったが、それはそれで家康が豊臣に尽力する意思ありと見て、手が空いた時についでとして行う事にしたのだ。
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