家康視点多し。
特に記述が無ければ、関ヶ原になります。他武将も登場する場合には割合が多ければ記述。
関ヶ原、主に家三で小説、たまに絵。史実ネタとその逸話からの独自解釈、捏造改変など混ぜてたり。
基本はゲーム設定に色付け。男前が目標。シリアスで戦国設定濃い目。転生、現代あり。
合戦描写が好きな管理人です。
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特に記述が無ければ、関ヶ原になります。他武将も登場する場合には割合が多ければ記述。
関ヶ原、主に家三で小説、たまに絵。史実ネタとその逸話からの独自解釈、捏造改変など混ぜてたり。
基本はゲーム設定に色付け。男前が目標。シリアスで戦国設定濃い目。転生、現代あり。
合戦描写が好きな管理人です。
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三
天に願うこと。 ●揺籃
竜の右目や側近達を交えて酒を交わす。
美しい月を背に笹を眺めながらの酒。
独眼竜の話は突飛だが先の読めない楽しい話で。
次々と酒が進んでいく。
すっかり深夜になっても独眼竜の杯は止まらない。
「政宗様。そろそろ終いになさっては」
小十郎が流石に止めに入る。
「そんな野暮な事言うんじゃねえよ小十郎」
窘めた小十郎を政宗は躱す。
後少しだ、と言う主に小十郎は溜息を付く。
「すまんな片倉殿。これで終いにするから」
「徳川殿がそう仰るのであれば」
小十郎はあっさりと退いた。
小十郎が退室した後、政宗は嬉々としていた。
「独眼竜よ、ワシもそろそろお暇するぞ。お前の調子で付き合ったらワシが持たん。また明日も時間はあるから、な?」
家康は降参した。
「分かった。明日も覚悟しとけよ?」
政宗は家康を解放する。
家康は苦笑いした。
家康は政宗の室から離れる。
用意された部屋へ行く。
部屋に入った家康は懐から紙を取り出した。
政宗は散らばった酒器を拾い上げて盆に置いた。
飲み過ぎたのか厠が近い。
火照った身体を冷ますのにも丁度良いと政宗は室を出る。
厠にその侭行くつもりだった。
(?―――家康?)
家康が大きな笹を見ていた。
先刻も笹は見ていた。
他国の風習が珍しいのかと思ったが。
家康の雰囲気が少し変だ。
政宗は注意深く家康の様子を探った。
家康の手元に何かある。
形からして短冊か。
昼間書いていた物では無いようだ。
家康がわざわざ外す様な物では無いだろう。
あの時書かれていたのは極々普通の家康が常日頃口にしている『絆』や『泰平』の類の物であったからだ。
家康が短冊を付けるか付けまいか悩んでいるようだ。
やがて決心したのか短冊を笹に括り付けた。
家康は足早にその場を去って行った。
政宗は家康が居なくなった事を確認して笹に近寄る。
(家康が見てたのは・・・この辺りか)
月明かりの中、吊るされた短冊。
月の光で白く浮かび上がっている。
『紫銀の陰を映し見て 絶え無く人よ、巡り巡りて世を思わふか』
手が震えた。
花押も何も無いが、家康の字である事は明白。
いっそ、慎ましやかにでも願いが書かれていたならば。
何だこれは。
句に見せかけた願いだと分かった。
分かったから吐き気がした。
見られたとしても一握りの者しか分からぬように見せかけた。
家康の事は知っている。
ここ迄するべきなのか。
(ここは俺の国だ。家康。隠れる必要なんか無ェんだよ)
信頼されてないのか?―――否。家康はそんな男では無い。知っている。
露見した時政宗が咎められる事の無い為の配慮だろう。
少し前迄、小さかった家康があっという間に自分の横に立つどころか抜き去って行った。
嬉しさと頼もしさを感じたが、それ以上の感情が生まれた。
政宗は空を見た。
蒼天。数多の星が光輝いていた。
光の帯の中を箒星が落ちて行く。
家康の本当の願いは叶う事は恐らく零に等しいだろう。
それでも家康は書かずにはいられなかったという事だ。
政宗は見た事を後悔した。―――そうでも無いか。俺が数少ないアイツの理解者になってやれる。
美しい月を背に笹を眺めながらの酒。
独眼竜の話は突飛だが先の読めない楽しい話で。
次々と酒が進んでいく。
すっかり深夜になっても独眼竜の杯は止まらない。
「政宗様。そろそろ終いになさっては」
小十郎が流石に止めに入る。
「そんな野暮な事言うんじゃねえよ小十郎」
窘めた小十郎を政宗は躱す。
後少しだ、と言う主に小十郎は溜息を付く。
「すまんな片倉殿。これで終いにするから」
「徳川殿がそう仰るのであれば」
小十郎はあっさりと退いた。
小十郎が退室した後、政宗は嬉々としていた。
「独眼竜よ、ワシもそろそろお暇するぞ。お前の調子で付き合ったらワシが持たん。また明日も時間はあるから、な?」
家康は降参した。
「分かった。明日も覚悟しとけよ?」
政宗は家康を解放する。
家康は苦笑いした。
家康は政宗の室から離れる。
用意された部屋へ行く。
部屋に入った家康は懐から紙を取り出した。
政宗は散らばった酒器を拾い上げて盆に置いた。
飲み過ぎたのか厠が近い。
火照った身体を冷ますのにも丁度良いと政宗は室を出る。
厠にその侭行くつもりだった。
(?―――家康?)
家康が大きな笹を見ていた。
先刻も笹は見ていた。
他国の風習が珍しいのかと思ったが。
家康の雰囲気が少し変だ。
政宗は注意深く家康の様子を探った。
家康の手元に何かある。
形からして短冊か。
昼間書いていた物では無いようだ。
家康がわざわざ外す様な物では無いだろう。
あの時書かれていたのは極々普通の家康が常日頃口にしている『絆』や『泰平』の類の物であったからだ。
家康が短冊を付けるか付けまいか悩んでいるようだ。
やがて決心したのか短冊を笹に括り付けた。
家康は足早にその場を去って行った。
政宗は家康が居なくなった事を確認して笹に近寄る。
(家康が見てたのは・・・この辺りか)
月明かりの中、吊るされた短冊。
月の光で白く浮かび上がっている。
『紫銀の陰を映し見て 絶え無く人よ、巡り巡りて世を思わふか』
手が震えた。
花押も何も無いが、家康の字である事は明白。
いっそ、慎ましやかにでも願いが書かれていたならば。
何だこれは。
句に見せかけた願いだと分かった。
分かったから吐き気がした。
見られたとしても一握りの者しか分からぬように見せかけた。
家康の事は知っている。
ここ迄するべきなのか。
(ここは俺の国だ。家康。隠れる必要なんか無ェんだよ)
信頼されてないのか?―――否。家康はそんな男では無い。知っている。
露見した時政宗が咎められる事の無い為の配慮だろう。
少し前迄、小さかった家康があっという間に自分の横に立つどころか抜き去って行った。
嬉しさと頼もしさを感じたが、それ以上の感情が生まれた。
政宗は空を見た。
蒼天。数多の星が光輝いていた。
光の帯の中を箒星が落ちて行く。
家康の本当の願いは叶う事は恐らく零に等しいだろう。
それでも家康は書かずにはいられなかったという事だ。
政宗は見た事を後悔した。―――そうでも無いか。俺が数少ないアイツの理解者になってやれる。
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