家康視点多し。
特に記述が無ければ、関ヶ原になります。他武将も登場する場合には割合が多ければ記述。
関ヶ原、主に家三で小説、たまに絵。史実ネタとその逸話からの独自解釈、捏造改変など混ぜてたり。
基本はゲーム設定に色付け。男前が目標。シリアスで戦国設定濃い目。転生、現代あり。
合戦描写が好きな管理人です。
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特に記述が無ければ、関ヶ原になります。他武将も登場する場合には割合が多ければ記述。
関ヶ原、主に家三で小説、たまに絵。史実ネタとその逸話からの独自解釈、捏造改変など混ぜてたり。
基本はゲーム設定に色付け。男前が目標。シリアスで戦国設定濃い目。転生、現代あり。
合戦描写が好きな管理人です。
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五
絆を願う日
その後もたっぷりと目まぐるしく景色が変わって行く。
店のはしごのはしごをした。
途中何度か絶妙なタイミングでの休憩を取ったがこれでもか、という程歩いた頃にはすっかり夜も暮れていた。
昼の短い冬であれば当然か。
「ほら。空見てみろ三成」
言われて空を見た。
澄んだ空気に明るい星が瞬いていた。
聖夜に相応しいと言えば良いのだろうか。
以前にもこんな風に空を見上げたような。
よく覚えてはいないが。
それにしても外の冷える事といったら。
朝から雲を見る事があまりない侭今に至る。
三成は隣の家康を見る。
自分に比べ軽装だ。
家康の体温の高さは良く知ってはいるが真冬だというのにコートを着ていない。
寒くないのか、と問いかけるのをやめた。
元からそういう男である。
着込んだ三成が吐く息は白い。
なんだかんだで深夜迄家康に付き添ってしまった。
律儀な三成は家康の荷物の多さに自然家康の家について行く。
徹底的に用事を済まさないと落ち着かない三成は最早諦観し家康に付き合ったのだ。
家康が鍵を開けて三成を中へと促す。
暖房が付けられ暖かくなる部屋に三成は一心地付く。
家康の満足そうな顔を見て、これで当分は付き合わされる目に遭わないだろうと思うのだ。
しかし。ふと、今日が何の日であるかを思い出す。
「家康。何故、今日なのだ?」
休日など幾らでもあるだろう?と三成が視線で家康に問う。
どんなに世間に興味が然程無いという人間でも、毎日のように街頭にポスターが張り出され、音楽が流れていれば、その日が近い事位は分かる。
「うん。クリスマスだろ?」
「今日は・・・」
「大切な人と過ごす日だからだ。三成」
家康に真っ直ぐに見られる。
人に散々彼女を紹介しろと強請む男に。
意味が分からない。
「それならば、もっと・・・」
「ワシの一番は、三成だ」
家康に見据えられる。
居た堪れない。
「三成は?」
「私は・・・」
「ごめんな。つまらなかったか」
「?!そ、んな・・・事は」
家康の寂しそうな顔を見付けて三成は動揺した。
騒がしいと思う事はあるが、退屈だと感じる事は無い。
一人で居る事も多かった自分。
人の多さに酔う時も少なくなかったものだ。
家康に構われている内にいつの間にか雑踏の中に居ても苦には感じなくなった。
それは家康が傍に居ない場合でもだ。
食事にしてもそうだ。
口喧しく食べろと勧めながら美味そうに目の前で頬張る姿を見せられて釣られて食べてみようかという気持ちが起きてくるようになり。
会話をしながら徐々に意識せずとも食事が出来るようになっていた。
家康が介入すればする程、遅々とではあるが三成の生活は改善が見られるようになっている。
「嫌ならそう言ってくれて構わんさ。ワシも三成を困らせたい訳じゃない」
そういうのが困るのだ。
不毛な押し問答は避けたい。
「・・・貴様は狡い奴だな」
知らぬ訳が無い。目敏い狸が。
そんな三成を、家康は目に留めて、満足気に笑った。
店のはしごのはしごをした。
途中何度か絶妙なタイミングでの休憩を取ったがこれでもか、という程歩いた頃にはすっかり夜も暮れていた。
昼の短い冬であれば当然か。
「ほら。空見てみろ三成」
言われて空を見た。
澄んだ空気に明るい星が瞬いていた。
聖夜に相応しいと言えば良いのだろうか。
以前にもこんな風に空を見上げたような。
よく覚えてはいないが。
それにしても外の冷える事といったら。
朝から雲を見る事があまりない侭今に至る。
三成は隣の家康を見る。
自分に比べ軽装だ。
家康の体温の高さは良く知ってはいるが真冬だというのにコートを着ていない。
寒くないのか、と問いかけるのをやめた。
元からそういう男である。
着込んだ三成が吐く息は白い。
なんだかんだで深夜迄家康に付き添ってしまった。
律儀な三成は家康の荷物の多さに自然家康の家について行く。
徹底的に用事を済まさないと落ち着かない三成は最早諦観し家康に付き合ったのだ。
家康が鍵を開けて三成を中へと促す。
暖房が付けられ暖かくなる部屋に三成は一心地付く。
家康の満足そうな顔を見て、これで当分は付き合わされる目に遭わないだろうと思うのだ。
しかし。ふと、今日が何の日であるかを思い出す。
「家康。何故、今日なのだ?」
休日など幾らでもあるだろう?と三成が視線で家康に問う。
どんなに世間に興味が然程無いという人間でも、毎日のように街頭にポスターが張り出され、音楽が流れていれば、その日が近い事位は分かる。
「うん。クリスマスだろ?」
「今日は・・・」
「大切な人と過ごす日だからだ。三成」
家康に真っ直ぐに見られる。
人に散々彼女を紹介しろと強請む男に。
意味が分からない。
「それならば、もっと・・・」
「ワシの一番は、三成だ」
家康に見据えられる。
居た堪れない。
「三成は?」
「私は・・・」
「ごめんな。つまらなかったか」
「?!そ、んな・・・事は」
家康の寂しそうな顔を見付けて三成は動揺した。
騒がしいと思う事はあるが、退屈だと感じる事は無い。
一人で居る事も多かった自分。
人の多さに酔う時も少なくなかったものだ。
家康に構われている内にいつの間にか雑踏の中に居ても苦には感じなくなった。
それは家康が傍に居ない場合でもだ。
食事にしてもそうだ。
口喧しく食べろと勧めながら美味そうに目の前で頬張る姿を見せられて釣られて食べてみようかという気持ちが起きてくるようになり。
会話をしながら徐々に意識せずとも食事が出来るようになっていた。
家康が介入すればする程、遅々とではあるが三成の生活は改善が見られるようになっている。
「嫌ならそう言ってくれて構わんさ。ワシも三成を困らせたい訳じゃない」
そういうのが困るのだ。
不毛な押し問答は避けたい。
「・・・貴様は狡い奴だな」
知らぬ訳が無い。目敏い狸が。
そんな三成を、家康は目に留めて、満足気に笑った。
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