家康視点多し。
特に記述が無ければ、関ヶ原になります。他武将も登場する場合には割合が多ければ記述。
関ヶ原、主に家三で小説、たまに絵。史実ネタとその逸話からの独自解釈、捏造改変など混ぜてたり。
基本はゲーム設定に色付け。男前が目標。シリアスで戦国設定濃い目。転生、現代あり。
合戦描写が好きな管理人です。



   絆を願う日
家康が言う、買い物とはよく言ったもので、都度都度三成に色々な物が勧められる。
「こんなのはどう思う?」
「あれとこれ迷うんだが、どちらが良いだろうか?」
いちいち私に聞かずとも良いものを。
何せ、私が欲しいと思う物と家康の好みは異なるだろうに。
「何故、そんなにも私に聞くのだ」
まともな返事が来ると期待していなかったのか、きょとんとした顔を見せられる。
「え?あ、いや。折角だから、三成も気にいってくれるような物が良いかな、と。そしたら一緒に買い物してる気分になるだろう?三成にも安心して使って貰いたいし」
手にした食器やら家具やらを触って三成を見てくる。
謎の部分だ。家康の頭の中には三成が大前提らしい。
家康ならば元親や政宗、慶次の方が気が合うと思っていた。
明るい家康に自分が釣り合うとは思っていない。
「・・・ひょっとして、拗ねてるのか?」
「何故、そうなる」
妙な所で勘が良い。
正確には拗ねているのではない。(と思っている。が傍から見たら十分に嫉妬である)
自分よりも、気の合う仲間がいるではないか、とそう自己分析をする三成。
「そうか?」
普段はしつこい癖にあっさりと引く事もある。
一体何処がスイッチなのかが分からない奴だ。
次々変わる話題に適当に相槌を打っていく。
あまりに気前の良い羽振りの家康を見ていると自分が何も買わないのも気が引けてくる。
ケチな奴だと思われたくない、という部分が刺激される。
あれこれ家康に勧められるだけも癪なので、家康が品定めしている合間に三成も店内を物色する。
目を泳がせていると、きめ細やかな装飾が施されたカップが目に留まる。
即座に計算する。
それ程物が多いわけでもないからこれ位の贅沢も良いだろう。
茶の類は昔から好きだった事もあって三成はカップの購入に踏み切った。
(そうだ。これで家康に茶でも淹れてやろうか)
押しかけてくる家康へのもてなしも一応頭に入れておく。
「三成~?」
会計を済ませた所で家康の声が聞こえる。
「此処だ。今行く」
「ん」
大きな紙袋を提げた家康が三成の指にかけられた小さな包みに目が行く。
家康は特に何も言わない。笑顔だけを向けてきた。
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