家康視点多し。
特に記述が無ければ、関ヶ原になります。他武将も登場する場合には割合が多ければ記述。
関ヶ原、主に家三で小説、たまに絵。史実ネタとその逸話からの独自解釈、捏造改変など混ぜてたり。
基本はゲーム設定に色付け。男前が目標。シリアスで戦国設定濃い目。転生、現代あり。
合戦描写が好きな管理人です。



   暗れ惑う思い   
「どうだ?」

三成の目の前には小奇麗な漆塗りの箱が鎮座している。

家康が蓋を取り除く。

中から細やかな細工の和菓子が色とりどりに並べ置かれていた。

「京から取り寄せたんだ」

食べろ、と家康は三成をにこやかに見ている。

空腹は感じていないが、家康の嬉しそうな顔を見てそろそろと1つ手に取る。

家康も激務の中で合間を縫うように三成に会いに来ているのだ。三成の立場を考えると執務からかなり遠ざかった場所に部屋を設けているに違いない。少ない休息の時間を惜しむ事無く浪費する家康に僅かだが三成なりに譲歩をしてやろうという気になった。

菓子を二つに割って口に運ぶ。糖分が控えめできめ細かい餡、柔らかい生地の饅頭。腕の立つ職人の菓子だ。家康を見ると手でもっと食べていいぞ、と促してくる。
小ぶりの饅頭を一つ二つとゆっくりと食むとその度に家康は綻ぶ。

「もういい」

拒絶では無く満腹だと柔らかな声で告げれば結構食べてくれたな、と大はしゃぎする家康。

(こんな事くらいで)『生きてくれ』『儂を殺すには、食べないと駄目だぞ』べてくれるのが嬉しいんだ』

「――――――ッ」

家康が繰り返し語りかけていた言葉が脳内に反響する。たかが月並み程度の間食で喜ぶ家康。食事をして喜ぶ者などそうはいまい。

『儂は三成が生きているだけで嬉しいんだ』

生きる事は寝る事、食べる事。睡眠も食事も生きる為には必須だ。眠ったり食事をするという事は生きる意思があるという事。それに家康は歓喜している。

三成は何ともいえない気持ちになった。

「三成。また来る」

家康は腰を上げる。

「来なくていいぞ」

そう言った三成の声は鋭さが和らいでいた。
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